少し前に 日本紛争予防センター(JCCP)のイベントに参加しました
その聴講記録と ホテル・ルワンダ(映画)の感想をたたき台にして、民族対立に対する今の考えをまとめました
■聴講記録
2017.10月 「現地の今と未来を語る」
瀬谷ルミ子さん と ルバイ・ティングワさん(JCCP南スーダン人スタッフ)の対談
南スーダンは、2011年の独立後、2013年に大きな衝突(124万人が家を追われ、717万人の国内避難民)、2016年に首都ジュバで衝突があった国です。当日は現地の状況や活動内容を講演されていました
そのなかで考えさせられた言葉たち
「次に来るときには美しい南スーダンをお見せしたい」(ルバイさん)
「たぶん25か26歳です」(幼少期に保護された青年 / 年齢を聞かれての答え)
「南スーダンは報道規制が強いのでルバイの答えには制限がある」(瀬谷さん / 聴講者からの問い "アフリカの平和のためには何が必要だと思われますか" に対する前置き)
「政府に頼らない組織になれたらよいのですが、日本では今は難しい」(瀬谷さん)
また、講演を聞いていて 自分は概況すらも知らないことを痛感しました
(こんな意識の低さで 仕事として選ぶことは 失礼になると自覚させられた瞬間でした)
2014年末時点で、世界中で5950万人が紛争等で移動を強いられていて、内訳は以下
1950万人:他国に逃れた難民 、3820万人:国内避難民 、180万人:庇護希望者
今日時点でUNHCRのWebサイトいわく 避難民は「6560万人を超えた」
■ ホテル・ルワンダ(映画)の感想
対談イベントの前週に、ルワンダ大虐殺の 実話に基づいた映画を見ました
大国が 利益を目的として 民族主義を煽って(対立する文化を生み出して)結果として、衝突、紛争や虐殺が起きることが多い
大国は遠くでそれを見ているだけで、泥臭い部分は現地の民族たちがすべて被る
と わかっていたつもりだったけれど、映像として見た「泥臭い部分」は、持っていたイメージを遥かに超えていた
こういう虐殺や武力衝突は何度も起きているのに、利権のために各地で火種を蒔き続けるひとたちの根性が本当に分からない
自益のために 簡単に他国のひとたちを消耗させる態度は 奴隷制度と なんら変わらない。むしろ ひどいかもしれない
「知ったところで、何もできない、無力感がつらいから見たくない」と思っていたけれど
今は "権力を持った想像力のない利益主義者" の思惑通りに動く人間 が、ひとりずつ減ることが大事で、むしろ それしか方法がないと思っています
だから知ることは 無駄ではなく とても大事だと思います
誰が黒幕かを 見極めるためにも、自分が非道なことに無意識に加担しないためにも
映画、観て欲しいです
純粋に映画としての完成度も高い(Yahoo!映画で4.29 レビュー2000件超え)ので 普通の映画として
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80/323478/
余談
JCCPは尊敬する組織ながら、Webサイトの会長挨拶の ”「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を掲げた「国家安全保障政策」が発表されました” という文言だけは いや
「積極的平和」という言葉はガルトゥング先生が停戦の次のステージとしての和解の状態を指した言葉で、「停戦(殲滅)のために武力でガシガシ日本も頑張ります」という姿勢とは相反している
特定NPOだからこういう文面を載せるのかな。としたら政府からの支援金以上の支援は到底できない(年間で2万4千円の寄付)一般市民の自分は、文句が言いづらいなと考えさせられました
また、アメリカでは良いNGOはそのへんの一般企業より給与が高く、いい人材が集まる。寄付が集まるからでしょうね。お国としては 「悪い大国」の代表でサイテーだと思っているけれど、国民の個性の触れ幅が大きくて 行動を起こせる人が多くいることは素敵
このイベントは内容はとても良かったし無料だから文句は言えないけれど、プロジェクターと音響の操作が素人(講演中に大音量でインタビュー映像流したり、スライドに戻せなかったり) で、人がいない or 教育にリソース割けない現状を感じてさみしくなりました